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赤外線LEDとは?防犯カメラなどの赤外線カメラで活躍しているLED


私たちの生活空間において、安全・安心は最も基本的なニーズの一つです。特に夜間や暗闇におけるセキュリティ確保は、犯罪抑止や証拠撮影の観点から非常に重要となります。しかし、人間の目には限界があり、光のない場所では物事を正確に認識することはできません。この課題を解決し、24時間体制での監視を可能にする核心技術の一つが「赤外線」であり、その光源として大きな役割を果たしているのが「赤外線LED」です。防犯カメラの性能を飛躍的に向上させ、私たちの目に見えない領域での監視を実現する赤外線LEDは、現代のセキュリティシステムに不可欠な存在と言えるでしょう。本記事では、この赤外線LEDに焦点を当て、赤外線の基礎知識から、赤外線LEDの仕組み、特徴、そして防犯カメラにおける活用例や選び方のポイント、さらには今後の技術展望に至るまで、詳しく解説していきます。赤外線LEDの理解を深めることで、より効果的な防犯対策への一助となれば幸いです。

赤外線とは?

私たちの周りには、様々な種類の「光」が存在しますが、人間の目で見ることができる光の範囲は限られています。赤外線は、その目に見えない光の一種であり、私たちの生活や産業、そしてセキュリティ分野で広く活用されています。

可視光線と赤外線の違い

光は電磁波の一種であり、波長によって様々な種類に分類されます。人間の目で見ることができる光を「可視光線」と呼び、その波長は約380ナノメートル(nm)から780ナノメートル程度です。虹の七色がこの可視光線の範囲にあたります。一方、「赤外線」は、可視光線の赤色の外側、つまり可視光線よりも波長が長い電磁波のことを指します。具体的には、約780ナノメートルから1ミリメートル(mm)程度までの波長の電磁波が赤外線と呼ばれています。この波長域の光は、人間の目には見えませんが、熱を持った物体から放射される性質(熱放射)や、特定の物質を透過しやすい性質など、可視光線とは異なる特徴を持っています。この見えない光と反射特性を活かし、暗闇で撮影できるのが赤外線カメラの仕組みです。

赤外線LEDの仕組みと特徴

赤外線LEDは、目に見えない赤外線を効率的に、かつ安定して照射するための光源として、防犯カメラをはじめとする多くの機器で採用されています。その基本的な仕組みや利点、そして留意すべき点を理解することは、赤外線技術をより深く知る上で重要です。

赤外線LEDの発光原理

LED(発光ダイオード)は、特別な半導体に電気を流すことで光を出す部品です。赤外線LEDも同じしくみですが、使う材料によって光の種類が変わります。
赤外線LEDでは、ガリウムヒ素(GaAs)やガリウムアルミニウムヒ素(GaAlAs)といった化合物がよく使われます。
これらの半導体は「P型」と「N型」という2つの層からできています。電気を流すと、N型の中の電子とP型の中の正孔(ホール)が接する部分に集まり、結びつきます。このときに電子の持っていたエネルギーが光となって放出されます。
赤外線LEDでは、材料の性質によって目に見えない赤外線の波長(光の色)が出るように設計されています。この仕組みのおかげで、赤外線LEDは特定の波長の赤外線を効率よく出すことができます。

赤外線LEDのメリット

赤外線LEDが広く使われている理由は、いくつもの優れた特徴があるからです。
まず「長寿命」です。赤外線LEDは数万時間も使えるため、古い電球型の赤外線ランプよりはるかに長持ちします。そのため、防犯カメラのように長時間使う機器では光源の交換回数が減り、手間やコストも抑えられます。
次に「省電力」です。少ない電力で効率よく赤外線を発するため、電気代やバッテリーの持ちが良くなります。特に複数台のカメラを設置する場合には大きな利点です。
「小型・軽量」でデザインや設置の自由度が向上します。また「応答性が高く」、赤外線のオン・オフを瞬時に切り替えることができ、必要な時だけ照射することが可能です。
また「指向性」にも優れており、レンズと組み合わせることで狙った範囲だけを効率よく照らせます。
これらの理由から、赤外線LEDは防犯カメラの暗視機能に最適です。

赤外線LEDのデメリット

一方で、赤外線LEDには注意すべき点もあります。
まず「照射距離に限界」があります。1つのLEDでは広範囲を照らせないため、多くのLEDを使う必要があり、その分カメラが大きくなったり電力消費が増えることがあります。また、障害物や天候によって実際の照射距離が短くなることもあります。
次に「赤外線の減衰」です。雨、霧、雪、ほこりなどがあると赤外線が散らばってしまい、映像がぼやけたり距離が縮まったりします。窓ガラス越しに設置した場合も、ガラスの種類によっては赤外線が反射してうまく撮影できないことがあります。
さらに「不可視光であること」も注意点です。赤外線は目に見えないため、知らずに高出力の光を直視すると目に悪影響を与える恐れがあります。また、動作中でもわずかに赤く光るものもありますが、基本的には点灯しているかどうか分かりにくい場合があります。

赤外線カメラ(暗視カメラ)とは?

赤外線カメラ、または暗視カメラと呼ばれる装置は、肉眼では見ることのできない暗闇での視認を可能にする技術です。特に防犯分野においては、夜間の監視能力を飛躍的に向上させるために不可欠なものとなっています。

赤外線カメラの基本的な仕組み

一般的に防犯カメラで「赤外線カメラ」と呼ばれるものの多くは、「アクティブ方式」を採用しています。これは、カメラ自体に赤外線LED(赤外線投光器)が搭載されており、このLEDから対象物に向けて赤外線を照射します。そして、対象物から反射してきた赤外線を、カメラに内蔵された赤外線に感度を持つイメージセンサー(CCDセンサーやCMOSセンサー)で捉え、電気信号に変換し、映像としてモニターに表示したり記録したりする仕組みです。人間の目には見えない赤外線で照らし出すため、完全な暗闇(0ルクス)でも対象物を撮影することができます。多くの赤外線カメラには「Day&Night機能」が搭載されており、明るい場所ではカラー映像で撮影し、暗くなると自動的に赤外線カットフィルターを取り外して赤外線撮影モード(通常はモノクロ映像)に切り替わります。これにより、24時間体制での監視が可能となります。
また、「パッシブ方式」の赤外線カメラも存在します。これは、対象物自体が発している熱を検知して映像化するもので、サーマルカメラ(サーモグラフィカメラ)が代表的です。体温を持つ人や動物、エンジンの熱などを捉えるのに適していますが、防犯カメラの暗視機能として一般的に使われるのは、形状をより鮮明に捉えられるアクティブ方式です。

防犯カメラにおける赤外線LEDの役割

防犯カメラの赤外線LEDは、暗闇を明るく照らし、24時間の監視を実現します。夜間や光の少ない場所でも侵入者や不審者の姿を記録でき、防犯や証拠保全に大きく貢献します。また、野生動物の観察や設備監視など、防犯以外の用途にも活用されています。

【夜間や暗所での監視能力向上】
赤外線LED搭載カメラは、真っ暗な駐車場や店舗、路地裏、工事現場でも対象をはっきり映せます。事件発生時には証拠映像として有効です。

【犯罪抑止効果】
通常、赤外線は目に見えませんが、一部カメラはLEDがうっすら赤く光り、監視の存在を知らせます。これが不審者への警告となり、犯罪防止に役立ちます。完全な隠密監視用には赤く光らないタイプもあります。

【様々な場所での活用例】
個人住宅では玄関や駐車場、店舗やオフィスでは出入口や金庫周りに設置されます。駐車場・駐輪場では盗難防止、工場や倉庫では資材や設備の監視に使われます。さらに農地、畜舎、建設現場、学校など、多様な場所で活躍しています。

赤外線LED搭載防犯カメラを選ぶ際のポイント

赤外線LED搭載防犯カメラを選ぶ際は、まず監視したい範囲を確実に照らせる赤外線照射距離の確認が重要です。LEDの数や配置は、照射範囲の広さや明るさの均一性に関わります。必須機能として、被写体がカメラに近づきすぎた際の白飛びを防ぐスマートIR機能の有無をチェックしましょう。また、赤外線照射OFF時の暗所性能を示す最低被写体照度(ルクス)も大切な指標です。屋外設置では防水・防塵(IP等級)が必須で、証拠映像の質を高めるには高画質(解像度)も重要です。これらの性能を総合的に比較し、設置環境と監視目的に最適な一台を選びましょう。

まとめ

赤外線LEDは、私たちの目には見えない光を利用して、暗闇における視認を可能にする画期的な技術です。防犯カメラに搭載されることで、夜間や光の届かない場所での監視能力を飛躍的に向上させ、24時間体制での安全確保に大きく貢献しています。その長寿命、省電力、小型軽量といった数々のメリットは、現代のセキュリティシステムにおいて不可欠な要素となっています。赤外線LEDカメラ選びでは、照射距離、スマートIR、画質、防水性など、用途や設置環境に合ったスペックの確認が重要です。そして、AI技術や他のセンサー技術との融合により、赤外線LEDを活用した監視システムは今後も進化を続け、より高度でインテリジェントなセキュリティソリューションとして、私たちの安全・安心な社会の実現に貢献していくことでしょう。赤外線LEDの仕組みと利点を理解し、適切に活用することが、これからの防犯対策においてますます重要になると言えます。

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