防水タイプのLEDテープライトの正しい使い方
LEDの普及が進み、従来の蛍光灯や白熱電球に代わって、さまざまな場面でLED製品が使用されています。用途に合わせた機能を持つLED製品も開発されており、あらゆるシーンでの活躍が期待できるでしょう。
今回は、防水機能を兼ね備えたLEDテープライトの、正しい使い方にをご紹介します。使用時の注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
防水LEDテープライトとは
防水LEDテープライトとは、LEDテープライトのLEDチップや基盤部分を透明な素材で覆うことにより、防水機能を持たせたものです。
屋外の照明やアウトドア照明、車・バイクのドレスアップなど、雨や水で濡れる可能性がある場所で利用されています。また、防水性能が高いLEDテープライトのなかには、水中で使用できるものも少なくありません。防水LEDテープライトを使用することで、通常の照明では難しい演出も可能です。
防水性能については、製品に記載されている防水等級で確認できます。使用用途に合った防水等級を持つ製品を選んでください。
防水性能を表す防水等級について
防水機能を持つ製品には、必ず防水等級が記載されています。「IP65」のように記載されているのが一般的です。
ここでは、防水等級を表す「IP」と、防水等級ごとの防水レベルについて解説します。
IPコード
IPとは、「International Protection」の略で、精密機器の水や固形物に対する保護性能を表す表記です。IPコードの表記については、防水・防塵の両方、もしくはそれぞれ一方のみを表記します。
防塵のみであれば「IP6X」、防水のみであれば「IPX5」です。また、両方を表す場合は、「IP65」となり、どちらも数字が大きいほど性能が高いことを表します。
防水等級
防水等級は、0~8までの9段階で表します。
等級 | 保護の程度 |
IPX0 |
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IPX1 |
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IPX2 |
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IPX3 |
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IPX4 |
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IPX5 |
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IPX6 |
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IPX7 |
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IPX6 |
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IPX8 |
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防塵等級
LEDテープライトには、防水機能に加えて防塵機能を持つ製品もあります。防塵等級は、0~6までの7段階です。
等級 | 保護の程度 |
IP0X |
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IP1X |
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IP2X |
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IP3X |
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IP4X |
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IP5X |
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IP6X |
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防水LEDテープライトの種類
防水LEDテープライトには、用途に合わせたいくつかの種類があります。それぞれの特徴を解説しますので、防水LEDテープライトを選ぶ際の参考にしてみてください。
クリアドーム防水
LEDチップや基盤を透明の樹脂で覆うことで、防水性能を持たせたタイプです。防水等級は「IP65」が一般的となっています。
クリアドームタイプの場合、樹脂でコーティングされているのは、LEDチップが配置された表面のみであることに注意が必要です。「防水」というより、「防滴」レベルの製品であると考えたほうが良いでしょう。
シリコン防水
シリコン樹脂を使用して、防水性能を持たせたタイプです。クリアドームタイプと異なり、テープライト全体が樹脂で覆われている点が特徴です。防水等級は「IP67」が一般的となっています。
シリコンタイプの注意点は、内部が空洞となっており、水中では使用できない点です。また、急速に冷え込むといった理由によって、空洞部分に結露が発生する恐れもあります。
全灌(ぜんかん)防水
LEDテープが、シリコン樹脂に完全に埋まっているタイプです。防水等級は「IP68」となっており、水中での使用が可能です。
全灌タイプは、シリコン樹脂が基盤を完全に覆っているため、他の防水タイプに比べて放熱性が低いのが特徴です。そのため、電流を低く設定して明るさを意図的に抑えるなど、発熱を低減する工夫が施されています。
防水LEDテープライトの放熱性
防水LEDテープライトは、樹脂やシリコンによってLEDチップや基盤を覆っているため、非防水タイプに比べると放熱性が低いという特徴があります。
放熱性が低い製品は、熱がこもりやすく、故障や寿命が縮まるなどの症状が起こる恐れがあります。特に、熱が逃げにくい場所に設置する場合には、注意が必要です。
放熱性を高める対策の一つに、アルミパーツを組み合わせる方法があります。防水LEDテープライトを貼りたい場所にあらかじめアルミフレームを貼り付けることで、放熱性が低い場所でも熱を逃がしやすくなるでしょう。
防水LEDテープライトの注意点
防水LEDテープライトを使用する際には、いくつかの注意点があります。防水LEDテープライトをできる限り長く使用するためにも、しっかりと把握しておきましょう。
非防水LEDテープライトとの違い
非防水タイプとの違いは次のとおりです。
● 非防水タイプに比べて放熱性が低い
● 色温度が高い
非防水タイプに比べて、樹脂で覆われている防水タイプは放熱性が低くなります。また、色温度が高くなりやすく、発色の良さでは非防水タイプに劣ります。また、防水タイプは、少し青っぽく発色する点も特徴です。
非防水・防水のどちらも、それぞれの特徴を活かして、用途に合った製品を選ぶことが大切です。用途に合わない製品を使用すると、故障や寿命が縮むなどの症状を起こす恐れがあります。十分に注意してください。
配線すべてが防水ではない
防水機能を持つのは、シリコンや樹脂で覆われた部分のみです。配線部分に防水機能はありません。
これは、水中で使用できるタイプであっても同様です。テープライト本体から配線までのすべてを水中で使用できるわけではありませんので、注意してください。
また、クリアドームタイプやシリコンタイプでは、防水機能を持つのは表面部分のみです。そのため、貼り付け面の隙間などから水が浸入すると、ショートする恐れがあります。
防水LEDテープライトを使用する場合は、防水機能のない部分に水が浸入しないように、しっかりと隙間なく貼り付けましょう。
テープ同士を連結して延長しにくい
非防水タイプを連結する場合、基盤がむき出しになっているため、接続用のコネクターなどを使用して簡単に連結が可能です。
しかし、防水タイプの場合は、シリコンや樹脂を剥がして基盤をむき出しにしなければなりません。製品によっては、基盤をむき出しにする作業が困難な場合もあります。連結して使用する場合は、事前に製品の仕様を確認しておきましょう。
また、基盤をむき出しにした部分や接続用のコネクターには、防水機能がありません。そのため、別途、防水対策を行う必要があります。
テープ同士を連結して延長しにくい
非防水タイプを連結する場合、基盤がむき出しになっているため、接続用のコネクターなどを使用して簡単に連結が可能です。
しかし、防水タイプの場合は、シリコンや樹脂を剥がして基盤をむき出しにしなければなりません。製品によっては、基盤をむき出しにする作業が困難な場合もあります。連結して使用する場合は、事前に製品の仕様を確認しておきましょう。
また、基盤をむき出しにした部分や接続用のコネクターには、防水機能がありません。そのため、別途、防水対策を行う必要があります。
カットした場合は防水対策が必要
連結時だけでなく、短くカットして使用する場合も防水対策が必要です。
特に、中が空洞になっているシリコンタイプでは、カット部分から内部に水が侵入する恐れがあります。使用する前に、十分な防水対策を施しましょう。
まとめ
防水LEDテープライトのメリットは、水で濡れる場所や水中でも使用できる点です。
一方、放熱性が低い・取り付けやカットに注意が必要などのデメリットもありますが、しっかりと対策することで改善できるでしょう。
また、用途や使用場所に合った製品を選ぶことも重要なポイントの一つです。しかし、防水LEDテープライトにはさまざまな種類があり、適切な製品を選ぶことが困難かもしれません。
LEDテープライトの導入をお考えの方は、まずはプロに相談することをおすすめします。用途に合った製品の紹介や取り付け方法、放熱対策などのアドバイスを受けられますので、ぜひ相談してみてください。