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LEDビジョンで流す映像の著作権と肖像権|担当者が知るべき法的リスクと対策


街角で鮮やかな映像を映し出し、人々の視線を集めるLEDビジョン。その高い訴求力から、自社の集客やブランディングのための導入を検討されている担当者様も多いことでしょう。迫力ある映像は、店舗や企業の存在感を際立たせる強力な武器となります。
しかし、その映像コンテンツを準備する段階で、見落としてはならない重要な視点があります。それは、映像に含まれる「権利」の問題です。魅力的な映像を作ろうとするあまり、意図せず他者の権利を侵害してしまえば、大きなトラブルに発展しかねません。
LEDビジョンという強力なメディアを、安心・安全に、そして最大限に活用するために。ここでは、映像コンテンツにまつわる著作権や肖像権の基本から、権利侵害を避けるための具体的な方法、そして万が一の際のリスクまで、詳しく解説していきます。

LEDビジョンで映像を放映する際に注意すべき権利

LEDビジョンで放映する映像には、様々な法律や権利が関わってきます。特に、ビジネスで利用する上で必ず理解しておかなければならないのが「著作権」と「肖像権」です。これらは、コンテンツ制作の根幹に関わる重要な権利です。

著作権とは?

著作権とは、映像、音楽、イラスト、文章といった「著作物」を創作した人(著作者)に与えられる、法的な権利のことです。この権利は、作品が創作された瞬間に自動的に発生し、登録などの手続きは必要ありません。
他人が創作した映像やイラストを許可なく使用することは、著作権の侵害にあたります。これには、インターネット上で見つけた画像や、テレビ番組の録画映像、市販の映画やアニメのDVD映像なども含まれます。たとえ一部分だけの利用であっても、原則として著作権者の許諾が必要です。安易な気持ちで他人の作品を利用すると、法的な問題に発展するリスクがあることを、まず認識しておく必要があります。

肖像権とは?

肖像権とは、人が自らの容姿を無断で撮影されたり、撮影された写真や映像を無断で公表・利用されたりしないように主張できる権利です。これは法律で明文化されているわけではありませんが、判例によって確立された重要な権利として保護されています。
例えば、街の風景を撮影した際に、特定の個人がはっきりと識別できる形で映り込んでしまい、その映像を本人の許可なくLEDビジョンで放映した場合、肖像権の侵害となる可能性があります。特に、商業目的で利用する際は、より厳格な判断がなされる傾向に。人物が映る映像を制作・使用する際には、必ず本人の許可(モデルリリース)を得るか、個人が特定できないようにぼかしを入れるなどの配慮が不可欠です。

BGM音楽の利用にも著作権が関わる

映像に臨場感や雰囲気を与えるBGM(背景音楽)の利用にも、著作権が大きく関わってきます。多くの方が誤解しがちですが、購入したCDや音楽配信サービスでダウンロードした楽曲を、BGMとしてLEDビジョンの映像に使用することは、著作権法で禁じられています。これらの音源は、あくまで「私的利用」の範囲で許可されているものだからです。
商業施設や店舗のLEDビジョンで音楽を流す行為は「公衆送信」や「演奏」にあたり、著作権者の許可が必須。具体的には、JASRAC(ジャスラック)などの著作権管理団体へ所定の利用手続きと使用料の支払いを行う必要があります。手続きを怠ると、著作権侵害となるため、音楽の利用には細心の注意を払いましょう。

権利侵害を避けるための具体的な方法

では、著作権や肖像権を侵害することなく、LEDビジョンで放映する映像コンテンツを準備するには、どうすればよいのでしょうか。安全にコンテンツを確保するための、現実的な3つの方法をご紹介します。

オリジナルでコンテンツを制作する

最も安全で確実な方法は、映像、イラスト、音楽、テキストのすべてを自社で、あるいは制作会社に依頼して、完全にオリジナルで制作することです。自ら創作したものであれば、著作権は自社(または制作者)に帰属するため、誰の許可も必要なく自由に利用できます。
ただし、この場合でも注意したいのが「肖像権」です。自社で撮影した映像であっても、従業員やエキストラなど、人物が映る場合は、必ず事前に出演承諾書を取り交わし、LEDビジョンでの商業利用について許可を得ておく必要があります。写真や映像を撮影することへの同意だけでなく、「どのように利用されるか」まで合意形成しておくことが、後のトラブルを未然に防ぐ鍵です。

権利フリーの素材を活用する

コストを抑えつつ、クオリティの高い映像を制作したい場合に有効なのが、ロイヤリティフリーの素材サイトを活用する方法です。これらのサイトでは、一定の料金を支払うか、あるいは無料で、プロが制作した映像・写真・イラスト・音楽などの素材を利用することができます。
しかし、「フリー素材」という言葉には注意が必要。サイトや素材ごとに利用規約(ライセンス)が定められており、「商用利用は不可」「クレジット表記が必須」など、条件は様々です。特に、LEDビジョンのような広告媒体での利用は「商用利用」にあたるため、ライセンスの範囲を必ず確認しなければなりません。規約をよく読まずに使用すると、意図せずライセンス違反を犯してしまう危険性があるのです。

許可(ライセンス)を得て利用する

どうしても使いたい特定の楽曲や映像、キャラクターなどがある場合は、その著作権を持つ個人や企業に直接連絡を取り、使用許諾(ライセンス)を得るという方法があります。このプロセスは、通常、使用料の支払いを伴う正式な契約となります。
例えば、有名なアーティストの楽曲をBGMとして使用したい場合は、JASRACなどの著作権管理団体を通じて手続きを行うのが一般的です。手間とコストはかかりますが、正規の手続きを踏むことで、堂々とコンテンツを利用することができます。企業のコンプライアンス(法令遵守)の観点からも、権利関係が不明瞭なコンテンツは使用せず、クリアな状態のものだけを利用する姿勢が重要です。

もし権利を侵害してしまったら?

細心の注意を払っていても、ミスや誤解から権利を侵害してしまう可能性はゼロではありません。万が一、権利侵害を指摘された場合、企業はどのようなリスクを負うことになるのでしょうか。

損害賠償請求や使用差し止めのリスク

著作権や肖像権を侵害してしまった場合、権利者から警告を受け、コンテンツの使用差し止めを求められる可能性があります。これにより、せっかく制作した映像が使えなくなるだけでなく、悪質な場合には、権利侵害によって生じた損害に対する賠償金を請求されることもあります。
金銭的な損失はもちろんですが、「他者の権利を軽視する企業」というネガティブな評判が広がることは、企業のブランドイメージにとって大きな打撃となるでしょう。LEDビジョンは多くの人の目に触れる媒体だからこそ、コンプライアンス違反がもたらす信用の失墜というリスクは計り知れません。

意図せず加害者になる「映り込み」にも注意

特に注意したいのが、意図せずに権利を侵害してしまう「映り込み」の問題です。例えば、街頭インタビューの映像を撮影した際、背景のビルに設置された他のLEDビジョンにアニメキャラクターの映像が流れていたり、通行人の顔がはっきりと映ってしまったりするケースです。
著作権法では、付随対象著作物の利用(incidentalinclusion)として、分離することが困難な場合の軽微な映り込みは許容される場合もありますが、その判断は非常に専門的で、ケースバイケース。基本的には、他社のロゴやキャラクター、個人の顔などが識別できる形で映り込んでしまった場合は、ぼかし処理を施すか、その部分をカットするのが最も安全な対応です。

まとめ

LEDビジョンは、その視覚的なインパクトで街の風景を一変させ、ビジネスに大きな可能性をもたらす強力なツールです。しかし、その力を最大限に引き出すためには、人々の心を動かす魅力的なコンテンツが不可欠であり、そのコンテンツは法的にクリーンでなければなりません。
著作権や肖像権といった権利への配慮は、単なる法的な義務やリスク回避の手段に留まるものではありません。それは、クリエイターの創作活動に敬意を払い、映像に登場する人々の尊厳を守るという、企業としての誠実な姿勢の表れです。法令を遵守した質の高いコンテンツを発信し続けることこそが、自社のブランド価値を高め、社会からの信頼を勝ち得るための最も確実な道筋と言えるでしょう。

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