正しいLEDテープライトの選び方
おしゃれなお部屋の間接照明・インテリア、さらには店舗の雰囲気づくりやイルミネーションとしても重宝する「LEDテープライト」は、防水仕様やリモコン操作ができるものなどさまざまなタイプがあります。
幅広い用途に使うことができ、比較的入手しやすい価格で販売されていますが、いざ購入しようとすると専門的な用語がたくさん出てきて選ぶのが大変かもしれません。
この記事では、さまざまな種類の中から、用途に合った正しいLEDテープライトを選ぶ方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
LEDチップの種類を決める
LEDテープライトの明るさや長持ちのしやすさなどの特性は、使用されているSMDチップのタイプによって変わるため、どれを選ぶかが非常に重要です。
主なSMDチップの種類は以下の通りです。
5050
1個あたりに発行体が3つ載せられている明るい3チップSMDのことです。最大の魅力はその明るさですが、反面発熱量も多く、木製の棚などとの相性は良くありません。LED3個単位でカットできます。
3528
5050に比べて小型のワンチップSMDです。3チップ搭載の5050のほうが1個あたりの明るさは勝りますが、その分3528は発熱量が減るのがメリットです。また、LEDが小さくなる分、テープ幅が細くなることも設置するうえでの利点と言えるでしょう。
5630
5630は明るさと綺麗さのバランスが良く、高演色LEDのため照らされたものが色鮮やかに見えます。明るさも5050と遜色ないレベルで、総合的に評価が高いチップです。
1206
3528よりもさらに小型のチップで、テープ幅がわずか5mmしかありません。狭い場所に貼れて、非点灯時に目立ちにくくなるメリットがあります。
335
光を側面に出すことができる特殊なチップです。LEDテープライトの正面ではなく横方向に光が伸び、普通のLEDテープライトではできない光の演出が可能になります。
335 全面発光
側面に光を出す335チップLEDを、テープ上の横に向けて配置したものです。LEDテープライトの表面に光を当てて反射させることにより、テープ全体が帯状に光っているように見えます。
RGB
レッド・グリーン・ブルーの光の三原色の掛け合わせで、さまざまな色を作り出せるLEDチップです。通常のLEDでは選べない色も表現可能で、光に動きがあるものとないものに分かれます。
LEDチップのピッチを決める
次に重要なポイントは、LEDチップのピッチ幅です。同じLEDチップであれば、配置されているチップの数が多いほど明るくなります。
しかし、その分1mあたりの消費電力が増える、LEDチップが集積することにより発熱量が増えるなどのデメリットがありますので注意してください。
「5050 30LED/m」の場合、1mあたり5050を30個積んでいるということです。表記のされ方については「1mあたり30LED」と表記されているほかに、「5mあたり150LED」と表記されている場合もあります。
おもなピッチの種類は、30LED/m、60LED/m、96LED/mなどがあり、搭載するLEDチップによってさまざまです。
例えば、5050の場合は30LEDと60LEDがあり、60LEDは30LEDよりも明るいのですが、LEDチップ数が多い分値段も高くなり、発熱量も増えます。極端に明るいものを求めているのでなければ、30LEDのほうがコストも発熱量も抑えられるのでおすすめです。
また、5050には96LED/mの製品もあり、30LEDや60LEDと比べて5050のLEDチップが幅狭く敷き詰められています。もちろん明るさは一番ですが、出力が大きすぎるため、5mなどの長さでは点灯することが困難になります。
5050の96LEDタイプは通常1mで販売されていることが多く、長さが必要な場合は適さない点がデメリットです。
このように、搭載するLEDチップのピッチ幅によってもそれぞれメリット・デメリットがあるため、使用する場所や用途に合わせた選択をすることが重要です。
防水タイプか非防水タイプを選ぶ
防水タイプかそうでないかによって、表面処理に違いがあり、見た目や放熱性も変わります。
非防水タイプ
LEDチップなどの部品がむき出しになっているため、放熱性に優れています。また、余計なものを通さないので、本来のLEDチップの発光色を綺麗に表現することが可能です。
クリアドーム
テープ表面を透明のエポキシ系樹脂で覆っているタイプです。エポキシ系樹脂で覆うことによって防水性を高めています。その反面、放熱性で劣り、木製の棚などに貼るとさらに放熱性が悪くなって寿命が極端に縮まる点に注意してください。
また、樹脂を通した光は白でも少し青みがかった色に見える場合があるため、選ぶ際は点灯テストを行ってしっかりと発光色を確認することが必要です。
シリコン防水
四角いシリコンチューブの中にLEDテープが入った構造になっているタイプです。クリアドームと同様に防水性がありますが、これを選べるタイプは限られており、全てのLEDテープライトでこの防水処理を選べるわけではありません。
設置場所に合わせて防水・非防水を選択しますが、設置場所や製品自体の放熱性によって適した製品が変わってくるため注意が必要です。
放熱性で劣るクリアドームタイプであっても、スチール製の棚などに貼り付けるのであれば熱を効率よく逃がせるので問題ありません。どうしても木製の棚に貼りたい場合は、アルミバーなどを組み合わせて放熱性を高めるなどの工夫をしましょう。
基本的にLEDテープライトは、放熱性が低いほど寿命も短くなる性質があります。防水性がいらない場所であれば、放熱性に優れた非防水タイプを使用するのがおすすめです。
LEDの発光色を選ぶ
LEDテープライトの定番人気色は、白色と電球色です。
選択可能な発光色は、主に以下の通りです。
・白色
・電球色
・レッド
・グリーン
・ブルー
・イエロー
・パープル
・アイスブルー
・ピンク
白色、電球色の特徴
白色や電球色は人気が高く、汎用性の高いカラーです。白色や電球色のLEDテープライトは、明るさを確保したり、商品をただ照らしたりするだけではありません。
白色、電球色のLEDテープライトには高演色タイプの製品があり、色の再現性が高く、照らしたものの色が綺麗に見えるのが特徴です。主にディスプレイなどに使用すると、商品の見栄えを良くすることができます。
また、高演色タイプの場合は、ケルビン数(色温度)を指定できる製品もあります。ケルビン数指定とは、同じ白色でも色合いを指定できるようになっている製品のことです。ケルビン数が高いものだと純白に近い6000Kまであります。
「白」の中にもさまざまな色合いがあり、さまざまな表現を演出することが可能です。
さらに、白色と電球色の2色分のチップを搭載しそれぞれの発光具合を調整することで、ケルビン数をほぼ無段階にコントロールできるタイプもあり、より一層演出できる幅が広がります。
RGBタイプの特徴
RGBタイプの最大のメリットは、色とりどりの光を利用した演出が可能なことです。車のドレスアップやイルミネーション用としてよく使われており、レッド・グリーン・ブルーの3チップの色味を調整して発色します。
色味を調整することで、単色では選択できない色も調色することが可能です。
ワンタッチで色を指定できる製品や一度設定した色を登録できる製品がありますが、どこまで自由に調整できるかは、使用するコントローラーによって変わります。
また、色だけでなく流れるような光の動きを表現できるタイプもあります。単色の場合、部分的に明暗差をつくることで光が流れる動きを表現するのです。
簡単な動きの製品の場合は、特殊なコントローラーを必要としません。電源をつなぎさえすれば自動的に光が動き始めます。
LEDチップ3個単位、もしくは1個単位で光り方を制御するような表現力の高い製品の場合は、専用コントローラーが必要です。搭載されるLEDチップの量も増えるため電力と発熱量も増えますが、簡単な動きの製品よりも自由度が高く、さまざまな表現の演出ができます。
LEDテープライトの基板色を選ぶ
LEDテープライトの基盤色は白色がオーソドックスですが、黒色の基盤色もあります。
白色の場合
LEDとLEDの間にも光が反射するため、綺麗な帯状の光に近くなります。
黒色の場合
LEDとLEDの間の部分が光らないので、光の粒々が強調された光になります。
綺麗なライン状の光を表現したいのであれば白色、あえてドット感のある光を表現したいのであれば黒色、というように選ぶとよいでしょう。
まとめ
LEDテープライトの正しい選び方についてご紹介しましたが、さまざまなLED製品がある中から用途や設置場所に適した製品を選ぶのは大変です。間違った選び方をすれば、LEDテープライトの寿命が短くなり、すぐに壊れてしまうこともあります。
LEDテープライトを効果的かつ長寿命で使用するためにも、導入時にプロへ相談することをおすすめします。プロに相談することで色々なアイデアを提案してもらうこともできますので、ぜひ活用してみてください。