導入前に確認すべき「LEDテープライト」のメリット・デメリット
LEDの普及が進むにつれ、LEDの価格は当初より低価格になり、さまざまな用途や環境に合わせた製品開発も進んでいます。
企業や店舗だけではなく一般家庭でもLED化が進んでいますが、今回は「LEDテープライト」のメリットやデメリット、注意点についてご紹介します。ぜひ、導入を検討する際の参考にしてください。
LEDテープライトのさまざまなメリット
よく知られているLEDのメリットは、蛍光灯に比べてハッキリと明るく、長期にわたって使用できる点です。ここでは、LEDのさまざまなメリットについてご紹介します。
LED化でコストダウン
LEDテープライトは、細長いテープ上に高輝度LEDチップを多数並べたものです。一つひとつのLEDは小さいですが、高輝度LEDを並べたテープは明るいだけでなく、省エネ・省電力ですので、コストダウンが期待できます。
また、LEDは長寿命なので、電球交換などにかかる費用や手間を軽減できるのもメリットです。
さまざまなシーンに対応
LEDテープライトにはソケットや安定器がないため、非常に小さく軽量なのも特徴です。この薄い形状を活かすことで、照明設置が難しい狭い場所でも設置できます。ハサミやカッターで切断して長さの調整も可能な点は、テープ状ならではの特徴です。
また、非常に軽量なので、両面テープで壁や天井などに貼り付けることもできます。もちろん、曲面・曲線施工も可能です。さらに、シリコン樹脂でコーティングされた防塵・防水機能付きのLEDテープライトであれば、屋外照明や防犯ライト、農業などの用途にも使用できます。
ただし、LEDテープライトに衝撃を与えたり、貼り直す際に強く引っ張ったりすると故障する恐れがありますので、注意が必要です。
光量もさまざま
LED化が進みだした当初に比べ、明るさについてもさまざまな用途に合わせた開発が進んでいます。
定番は、やわらかな明るさで雰囲気づくりに便利な「3528タイプ」と、3528タイプよりも明るさ重視の「5050タイプ」です。
「3528タイプ」は35mm×28mm、「5050タイプ」は50mm×50mmのLEDチップを使用した商品です。明るさが足りないからと従来の直接照明を使っていたシーンでも十分な光量が得られるようになっています。
ただし、より明るくなった反面、発熱量も増えています。特に「5050タイプ」は発熱量が多く、狭い場所に設置する際には放熱できずに故障する原因となる恐れがあります。放熱しにくい場所に設置する際は、アルミフラットバーなどを活用し、しっかりと放熱させる工夫が必要です。
「3528タイプ」であれば、適切な場所に設置していればしっかりと放熱される設計になっていますので、特に問題はありません。
素人でも簡単に取り付け可能
LEDテープライトの取り付けには、事前の配線作業やACアダプターが必要ですが、ソケットの準備やはんだ付けなどの難しい作業は不要ですので、知識のない素人でも簡単に取り付けることが可能です。
ただし、防水・防塵加工されたLEDテープライトをカットした場合、LED自体は防水・防塵ですが、新しく配線をした部分については防水・防塵処理を施す必要があります。
ムードや上品さを演出
照明のタイプには「直接照明」と「間接照明」があり、LEDテープライトは間接照明に該当します。直接照明に比べて光量は控え目ですが、やわらかなイメージの空間を演出することが可能です。
物陰や棚、足元などにLEDテープライトを配置することによって光の強弱が生まれ、ムードや上品さの演出につながるため、居心地の良い空間をつくることができます。
コンセプトを強調できる
LEDテープライトは、電源さえ確保できればあらゆる場所に設置可能です。また、専用のコントローラーやスマートフォンと連携することにより、色の変更、点滅やグラデーション演出など空間の雰囲気を変化させることができます。
シックで大人っぽい雰囲気を強調したい店舗などでは青色系のLEDテープライトでクールな雰囲気をつくり出したり、賑やかなパーティなどではカラフルなタイプのLEDテープライトで華やかな演出をしたりすることも可能です。
温かみやリラックスできるムードを強調したいのであれば、やわらかな電球色のLEDテープライトを棚や物陰などに配置することで、落ち着いた雰囲気を演出できます。
足元配置で安全性とムードを強化
視野を確保したいだけであれば直接照明で問題ありませんが、暗めの店舗で雰囲気を大事にしたい場合には、直接照明では明るくなりすぎます。
LEDテープライトを暗い通路や階段などに配置することで、店舗の雰囲気を壊さずに照明を確保することができます。店舗固有の雰囲気にあわせたカラーのLEDテープライトを配置すれば、さらにムードや雰囲気、ブランドカラーを強調することも可能です。
紫外線を含まない安全な光
LEDテープライトに使用されているLEDの光は、紫外線を含みません。展示品などの色褪せや劣化を回避できることから、美術館や百貨店など重要な展示品のある場所での利用が増えてきました。
また、屋外で使用しても虫が集まらないため、自販機やコンビニなどでも普及しています。
改善されていくデメリット
LED普及当初は、価格が高い、光量・色のバリエーションが少ない、密閉空間や屋外で使用できないなどのデメリットがありましたが、現在ではそのほとんどが改善されています。
例えば、改善されたデメリットは以下の通りです。
- 市場価格の低下
- 全方向型(220~350度)、広配光形型(180度前後)などの配光角の広い商品の販売
- さまざまなLEDチップの開発により、LED光の光量・色合いのバリエーションが増加
- 人感センサー、調光器対応タイプ、リモコン・スマートフォンなどによる光色の切り替えが可能に
- 防水・防塵・屋外対応タイプの販売
- 密閉器具対応タイプの販売(浴室光源などの密閉カバーで覆われた場所でも使用可能)
極端に安価な商品に注意が必要
LED製品の中には、海外製など品質が劣る商品が存在します。もちろん、海外製の中でも品質の良い商品もありますが、無名のメーカーや極端に安価な製品には注意が必要です。
LEDテープライトを長期間・快適に使用するためにも、国内メーカー品や信頼できる販売店での購入をおすすめします。
まとめ
LEDの普及が進むにつれて、さまざまな商品の開発、デメリットの改善が行われてきました。LEDテープライトはどのような場所にも配置することができ、配置方法も比較的簡単です。しかし、水回りや閉所など特殊な場所へ配置する場合には、多種多様なLEDテープライトの中から対応するものを選んで使用しなければなりません。
また、店舗や展示場など広い空間で使用する場合には、雰囲気を壊さないための配置場所の選定や配線の問題が生じます。
LEDテープライトを最も効果的に活用していくためには、導入時にプロへ相談することをおすすめします。対応するタイプや配置場所、予算など、それぞれのシーンに合わせたアドバイスやアイデアを提案してもらえますので、ぜひ活用してみてください。