「シームレスライン」から「LEDテープライト」への移行が人気のワケ
従来から使用されてきた「シームレスライン」タイプの間接照明に代わり、最近は「LEDテープライト」が使われるシーンが増えてきました。LED製品の開発が進むにつれてさまざまな用途に対応する製品がリリースされており、企業から一般家庭まで幅広く普及しているのです。
どちらも空間づくりなどで活躍する間接照明ですが、なぜ今「LEDテープライト」が選ばれているのでしょうか。この記事では、それぞれの製品の仕様を比較して解説します。
後付けでも場所を取らない省スペースな「LEDテープライト」が人気!
シームレスラインを含む従来型の間接照明を後付けするとなると、設置スペースやステーの問題、また、空間の雰囲気を壊さないようにする工夫が必要となってきます。
一方、LEDテープライトはテープ状で薄型なので、シームレスラインが配置できないような閉所などでも配置が可能です。
また、カバーやステーなども必要としないので省スペースが実現し、壁や天井などを改造する必要もなく、配置する空間の雰囲気を壊さずに光を演出できます。
例えば、ショーケース内に間接照明を配置する場合、シームレスラインなどの従来型間接照明を配置するにはそれなりのスペースが必要です。しかし、LEDテープライトなら設置スペースをほとんど取らないので、その分商品をたくさん並べることができます。さらに、ショーケースの雰囲気を邪魔することなく配置できるため、商品自体の見栄えも良くなるのです。
ショーケース自体のサイズが間接照明によって大きくならないため、店舗全体の省スペース化にもつながるでしょう。
シームレスラインよりもさらに連続した光を演出できるLED
シームレスラインはバータイプの間接照明で、電球タイプの照明と違ってエッジ部分まで発光することで光のムラができず、連続した光を演出できるのが特徴です。
LEDテープライトは多数のLEDを配線とともに一定間隔に並べ、平たいテープ状に加工した間接照明であり、シームレスラインと同様に連続した光を演出できます。
一定間隔ごとに隙間があるため光がドット状に見えますが、LEDチップの間隔を最大限狭めてテープ表面をドーム型にし、より連続した光が広がるドットレスタイプの製品もあります。
連続した光を演出するために気になるのは「長さ」です。シームレスラインの場合、製品の長さが0.5mから最長尺で3mとなっていますが、LEDテープラインの場合はひとつの製品で10m、20mなどのタイプがあり、並列に電源供給して延長することで最大200mまで対応できる製品もあるためさらに連続した光を演出できます。
LEDテープライトはテープの幅方向に直接曲げることはできませんが、一定間隔ごとにコネクターを取り付けることにより曲げられるため、自在な演出が可能です。
LEDテープライトが普及した当初は、はんだ付けして接続する必要がありましたが、コネクターの開発により、現在は現場でも簡単に接続できます。また、カット後のLEDテープライトは、コネクターを使って再利用することもできて経済的です。
取り付け場所を選ばない間接照明
シームレスラインは金属部品などで構成され、電源を内蔵しているので重量があり、高所など設置が困難な場面も少なくありません。
一方、LEDテープライトは軟質プラスチックやシリコーンゴムで作られており、非常に軽量であるため、シームレスラインに比べ楽に設置できます。施工中に落下させたり、他の機材に当てたりしてもガラスや硬質プラスチックのように壊れることがなく、取扱いが簡単です。現場への搬入や現場内での持ち運びも簡単なので、施工作業もスムーズになります。
そして、LEDテープライトの形状を活かし、曲面への設置や曲線の演出も可能です。狭い店舗などでは壁面が多かったり、デザイン性の高い建物では曲面壁面が多用されたりするなど、複雑な形状の内装も少なくありません。このようなシーンであっても、LEDテープライトならテープ状で貼り付けて設置するため、特殊な器具を必要とすることなく活躍してくれます。
また、折り曲げ壁面が多い場合、規格が固定されているシームレスラインでは壁ごとの寸法に合わせて設置する必要があります。その点、LEDテープライトは柔軟性のある素材でつくられているので、変化の多い曲面壁面にもスマートに対応することが可能です。
LEDテープライトは、カットすることで設置場所の長さに簡単に合わせられます。一般的に30mmや60mmごとにカットできる目印があるため、目印に合わせてカットすることにより、スムーズに長さ調整ができます。
シームレスラインの場合、長さの違う製品を組み合わせて使う必要がありますが、LEDテープライトの場合は基本1本で構成でき、容易に適正寸法に合わせられるため施工時間の短縮にもつながるでしょう。
屋外への対応
シームレスラインでは電極付近が濡れた場合、故障の恐れがあるため屋外での使用を保証するのは困難です。
一方、防水加工が施されたタイプのLEDテープライトであれば、屋外でも使用することが可能です。電源との接続部分もしっかりと防水処理されており、温泉やプールなどの水を扱う施設に対応したタイプやキッチンなどの水回りなどの生活防水に対応したタイプがあります。
さらに、温泉やプールの中に設置することができる「水中用テープライト」もあり、さまざまなシーンでの活躍が期待できます。
LEDの光は紫外線を含んでおらず、虫が集まりません。虫が集まることによる故障や死骸の発生などの問題も解決します。
さまざまなシーンで活躍するLEDテープライト
LEDテープライトの製品には、ブロックごとに点灯のコントロールができるタイプがあります。
LEDテープ上に点灯を個別に制御するICが配置されており、色の選択、点灯のタイミング、輝度レベルを調整できます。順番に点灯させてテープ上に光が流れる、ユニットごとに異なる色で点滅させるなどといった派手な演出も可能です。
さらに、LEDテープライトをシリコンチューブ内に納め、ネオン管のように点灯するタイプもあります。ネオンタイプのものは、左右もしくは上下に曲げられ、自由な発想で使用することが可能です。色も単色タイプ・フルカラータイプがあり、シリコンチューブが光を拡散するため連続した光で自由にデザインできます。簡単にネオンサインをつくることも可能です。
使用する人の自由な想像力により、LEDテープライトの可能性はまだまだ広がっていくと言えるでしょう。
まとめ
LEDの普及とともにさまざまなシーンに合わせた製品が販売されているLEDテープライトは、シームレスライトを含む従来型の間接照明が持つデメリットを解消できる仕様となっています。LED自体の価格も普及当初に比べて低価格化が進んでおり、省エネ、省コスト、省スペース化が期待できることが、LEDテープライトが選ばれている理由です。
開発が進み、今や多種多様なタイプの製品が販売されているため、設置箇所や雰囲気に合わせた製品を選ぶ必要があります。
ただし、メーカーによって接続方法や延長方法にも違いがあるため、LEDテープライトの性能をしっかりと発揮させるためにも、導入時にはプロに相談するのがおすすめです。配置する空間やシーンに合わせたアドバイスやアイデアを提案してもらえますので、ぜひ活用してみてください。