防水LEDテープライトの気になる保護種類|屋外での使用におすすめは?
「屋外や水回りで使えるLEDテープライトが欲しい」「防水仕様にも種類があるって本当?」──そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
LEDテープライトは、防水性能の違いによって用途が異なり、屋外や水中での使用には適切なタイプを選ばなければ故障の原因になります。また、防水性能は「IP規格」と呼ばれる防水・防塵等級によって分類されているため、用途に合わせた選び方が重要です。
この記事では、防水LEDテープライトの種類や、それぞれの特徴について詳しく解説します。さらに、防水性能を示す「IP規格」についても触れ、最適な設置場所の例を紹介します。防水LEDテープライトを選ぶ際の参考にしてください。
防水LEDテープライトとは?保護種類は?
防水LEDテープライトは、防水加工が施されたLEDテープライトで、屋外や水回りでも使用可能です。通常のLEDテープライトは屋内専用で水に弱いですが、防水仕様なら雨や水のかかる場所でも安全に使用できます。
防水性能の違いによって、耐水レベルが異なる複数のタイプがあり、使用場所や用途に応じて適切なものを選ぶことが重要です。例えば、屋外のガーデンライトとして使用する場合と、水中で使用する場合では、必要な防水性能が異なります。
LEDテープライトの主な保護種類
LEDテープライトの主な保護種類を紹介します。安全に使用するためには、これらを使用場所や用途に合わせて適切に選ぶことが重要です。
非防水タイプ
非防水のLEDテープライトは、防水加工が施されていないため、屋内専用です。放熱性が高く、発熱による劣化が少ないため、長寿命である点がメリットです。しかし、湿気の多い場所や水がかかる環境では使用できません。
ジェル防水(クリアドーム防水)
ジェル防水は、LEDチップ部分が透明な樹脂(シリコンまたはポリウレタン)でコーティングされているタイプです。軽い防水性があり、屋外の軒下や看板装飾などに適しています。ただし、水中での使用には向いていません。
チューブ防水(シリコン防水)
LEDテープ全体をシリコン製のチューブで覆い、水の侵入を防ぐ構造になっています。ジェル防水よりも耐久性が高く、屋外や車の装飾用ライトとしてよく使われます。
ただし、カットして使用する場合、切断面の防水処理が必要になります。適切な処理をしないと、水が侵入し故障の原因になるため注意が必要です。
高耐防水
チューブ防水に加え、さらに防水コーティングが施されたタイプです。屋外や水がかかる場所での使用に適しており、風雨にさらされる環境でも安心して使えるのが特徴です。ただし、こちらもカット後は防水処理が必要です。
完全防水(全灌防水)
完全防水タイプは、LEDチップ全体がシリコンで覆われ、さらに密閉加工が施されているため、水中での使用も可能です。プールや噴水、アクアリウムの装飾など、水没する環境で使用する場合に最適なタイプです。
ただし、発熱しやすいため、長時間連続使用する場合は適切な放熱対策が必要になります。また、カットした場合の防水処理も慎重に行う必要があります。
防水性能のIPとは?防水等級について
LEDテープライトの防水性能を判断する際に重要なのが、「IP規格」と呼ばれる防水・防塵等級です。これは、電子機器がどれだけ水やホコリに対して耐性を持っているかを示す国際規格であり、特に屋外や水回りでLEDテープライトを使用する際には欠かせない指標となります。
IP規格の数値が高いほど、水やホコリの侵入を防ぐ能力が高くなります。たとえば、「IP65」や「IP67」などの表記があり、それぞれの数字には防塵性能や防水性能を示す意味が含まれています。
ここでは、IP規格の基本的な見方や、防水・防塵等級について詳しく解説します。
IPとは?
IP(IngressProtection)とは、電子機器の防水・防塵性能を示す国際規格(IEC規格60529)です。「IP」の後に続く2桁の数字が、それぞれ防塵(固形物)と防水(液体)に対する保護レベルを示しています。
たとえば、「IP65」と表記されている場合、「6」が防塵性能、「5」が防水性能を示します。防塵性能と防水性能はそれぞれ独立して評価されるため、使用環境に適したIP等級のLEDテープライトを選ぶことが重要です。
防水等級について
IP規格の2桁目は防水等級を示し、数値が大きいほど耐水性が高くなります。
一般的に、IPX4以上であれば屋外での使用が可能ですが、強い雨がかかる場所や車両に取り付ける場合は、IPX5以上が推奨されます。また、一時的な水没に耐えられるものはIPX7以上、継続的に水中で使用できるものはIPX8とされ、プールや噴水などでの使用に適しています。
防水LEDテープライトを選ぶ際には、設置場所の環境を考慮し、適切な防水等級の製品を選ぶことが大切です。
防塵等級について
IP規格の1桁目の数字は「防塵等級」を示し、LEDテープライトがどれくらい粉塵や異物の侵入を防げるかを表します。
防塵性能が「6」の場合、完全な防塵構造となり、砂やホコリが入り込まないため、屋外や工場など粉塵の多い環境でも使用可能です。一方で、防塵性能が「5」以下の製品は、多少の粉塵が侵入する可能性があるため、清掃やメンテナンスが必要になることがあります。
特に、屋外で使用する防水LEDテープライトは、防水性だけでなく防塵性も重要になります。屋外のホコリや砂の影響を受けやすい場所で使用する場合は、防塵性能が高い製品を選ぶと安心です。
防水LEDテープライトを選ぶ際のポイント
屋外で使用する場合は、雨や水しぶきに耐えられるIP65以上の防水性能が推奨されます。浴室やキッチンなど湿気の多い場所ではIP66以上が適しており、水中で使用する場合はIP68の製品を選ぶ必要があります。
また、防塵性能も考慮することで、LEDテープライトの寿命を延ばし、安全に使用することができます。購入時にはIP等級を確認し、用途に適した製品を選ぶことが重要です。
非防水LEDテープライトと防水LEDテープライトの違い
LEDテープライトには、防水タイプと非防水タイプの2種類があります。防水LEDテープライトは、水や湿気に耐えられるように設計されているため、屋外や水回りなどの環境でも使用できます。一方で、非防水LEDテープライトは防水加工が施されていないため、屋内専用となり、湿気の多い場所や水がかかる環境では故障のリスクが高まります。
ただし、防水LEDテープライトにはいくつかの制約もあります。特に、配線部分の防水処理、延長の難しさ、カット後の防水対策など、取り扱いに注意が必要です。ここでは、防水LEDテープライトの使用時に知っておくべきポイントについて詳しく解説します。
配線部分に防水機能はない
防水LEDテープライトは、LEDチップ部分や基板が防水加工されていますが、電源と接続する配線部分には防水機能がない場合がほとんどです。そのため、屋外や水回りで使用する場合、配線部分が水に濡れないように適切な防水処理を施す必要があります。
例えば、屋外で使用する際には、防水コネクターや防水ボックスを使用し、配線部分を保護することが推奨されます。また、防水処理を怠ると、水が配線内部に侵入し、ショートや故障の原因になる可能性があります。
延長が容易ではない
非防水LEDテープライトは、簡単に延長できる製品が多いですが、防水LEDテープライトの場合、防水性能を維持しながら延長するのが難しいという特徴があります。
通常、LEDテープライトを延長する際には、専用のコネクターやはんだ付けを使用して接続します。しかし、防水LEDテープライトでは、防水性を確保するために追加のシリコンチューブや防水シールが必要になるため、作業の手間が増えます。また、延長接続部分に隙間ができると、水の侵入リスクが高まるため、慎重な施工が求められます。
そのため、防水LEDテープライトを長く使用したい場合は、あらかじめ必要な長さを計測し、延長作業を極力減らすことが望ましいでしょう。
カットする場合には防水対策が必要
LEDテープライトは、指定されたカットラインで自由にカットできるのが特徴ですが、防水LEDテープライトをカットした場合、カット部分の防水処理が必要になります。
防水LEDテープライトは、シリコンや樹脂のコーティングで保護されているため、カットするとその部分から水が浸入する可能性があります。これを防ぐために、以下のような処理を施すことが重要です。
LEDテープライトをカットした際は、防水処理をしないと水が侵入し、故障の原因になります。対策として、防水キャップを装着してシリコン接着剤で密閉する、専用の防水コーティング剤を塗布する、または防水テープで接合部を覆う方法があります。
適切な防水処理を行わないと、LEDチップや回路が水にさらされ、故障や寿命の短縮につながる可能性があります。
まとめ
防水LEDテープライトは、防水性能やIP等級によって適した用途が異なります。屋外ではIP65以上、水中ではIP68が推奨され、設置環境に応じた選択が重要です。適切な防水対策を施せば、長期間安全に使用できます。
また、防水LEDテープライトには配線部分の防水対策やカット後の処理が必要な点に注意が必要です。適切な施工を行うことで、故障リスクを抑えつつ、快適な照明環境を実現できます。防水LEDテープライトを選ぶ際は、防水等級や設置場所を考慮し、正しく取り扱うことが大切です。